空の湯ピンチ!! トコジラミ?レジオネラ?
- 2024年4月26日
「空の湯のカプセルホテルに泊まってトコジラミに刺された!」
某旅行サイトのコメントに書き込まれたのは2月の事です。もしかするとその書き込みをご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
空の湯では定期的に害虫防除作業は実施していますが、それだけで100%防げるものではありません。それが事実であるならば早急な対応が必要なので、直ぐに該当するカプセル周辺を販売停止にするとともに、害虫防除会社による消毒及び調査をしました。
害虫防除は当社の営業品目でもあり、防除作業監督者も4名所属しておりますが、客観性と専門性を重視して外部へ依頼しました。
日頃からお取引があるため、直ぐに対応していただき、目視調査ではトコジラミの生息や糞などは確認されませんでしたが、念の為に捕捉用のトラップを設置、更にはダニ調査のためのサンプル採取も数か所で行いました。
数日後、調査結果がでました。
ご存知の通り、ダニは家庭でも生息していることが多いので、若干数の個体は覚悟していたのですが、結果は「ダニ生息ゼロ」、もちろん、トコジラミのトラップ調査でもゼロが確認されました。
この調査結果をお客様にお伝えし納得していただき、今は書き込みもなくなっています。
ふう~、一件落着!
しかぁし、今度は保健所から連絡!
「レジオネラ症の患者さんの立ち寄り先に空の湯がありました。調査に入ります!」
なぬ~!
レジオネラ症候群は時々世間を騒がすのでご存知方も多いと思いますが、ビルメン業では知らない者はいないぐらい有名な感染症です。ビル管理士(当社では16名所属)ではもちろん、ビルクリーニング技能士(31名所属)の学科問題でも必ず出題されます。
やっかいな事にレジオネラ菌は特別な菌でなく、どこにでも存在します。南極大陸や宇宙ステーションで見つかったこともあるようです。
抵抗力が弱っていると発症しやすく、最悪死に至ることもあるので、保健所もレジオネラには敏感です。筆者は営業休止になった温浴施設をいくつも知っています。
では、レジオネラの対策は?
厚労省や保健所のリーフレットにわかりやすく書いてありますので、この通りやれば良いだけ。
入浴施設におけるレジオネラ症防止対策(厚労省)
ですが、利益優先経営で真っ先に削られるのが清掃・管理費というのは世の常。
・水道代高いから、換水回数減らすかぁ。
・塩素減らして、経費削減、うっしっし。
・配管洗浄?薬品洗浄?そんなの義務化されてないっしょ。
レジオネラ菌はどこにでも存在しますが、いざ実験室で培養しようとするとなかなか難しいそうです。しかし自分の好みの環境を見つける事は得意のようで、例えば配管内のバイオフィルムの中に潜り込むと例え塩素濃度が適正でも増殖しますし、貯湯槽が適正温度で管理されていても隅っこの滞留するような場所では増殖します。現場型のヤツなんですね。
そして、保健所の立ち入り。(緊張!)
「しっかり管理できてるね。ヨシ!」
やった!
レジオネラ検査は年2回、日常清掃も手抜きなし、メンテナンス休館ではさらに徹底しているので、そこが評価されたのでしょう。
保健所の皆さんは日々、利用者の安全・衛生を維持するために厳しい検査をなさるわけですが、このように明快に合格を貰えて感激でした。
(1回分のレジオネラ調査報告書)
整理・整頓・清掃・清潔、4Sの精神でビルメン会社が運営する温浴施設として恥ないよう頑張っていきますので、これからもご愛顧くださいませ。
また、行き届かない点もたくさんあると思いますので、ご意見お待ちしております。
(各フロア、施設ごとにQRコードでアンケートを書き込めるようになっています)