合格!ガス博士 修士号
- 2023年10月1日
みなさん、突然ですが「ガス博士」ってご存知ですか?
これは天然ガスがたくさん生産される茂原市が実施しているご当地検定です。
なぜ、筆者が天然ガスに興味を持ったかというと、ガス=温泉なんです。
??? 何言ってるの ???
と思われても仕方ありません。
順を追って説明すると、
資源が乏しい日本において、しかも大都市東京の地下には現在の生産量で約800年分の大ガス田が広がっています。その名は「南関東ガス田」。水溶性のガスが特徴で、地下では土の圧力でガスは水の中に溶け込んでいますが、汲み上げて大気圧に開放するとガスが噴出します。噴き出した気体はメタン99%の天然ガス、水は古代の海水でミネラルや塩分が豊富で温めると良質な温泉になります。
それが空の湯温泉なんです!(エッヘン)
温泉成分は各地で色々な特徴をもっていますが、南関東ガス田の特徴はヨウ素をたくさん含むこと。ヨウ素は体内で必要な元素の一つであり、日本人は海藻などから普通に接種できますが、外国では食塩に添加することを義務付けている地域もあるほど。放射能から甲状腺を保護するためにも使われます。
様々な機能があるヨウ素ですが、最新の研究ではノーベル賞候補の宮坂教授が開発した次世代太陽電池ペロブスカイトの原料になることがわかりました。この太陽電池はペラっペラで軽くて曲がるし、屋内でも発電するし、塗るだけでOK、価格も安いと良いことだらけ。これが社会実装されれば世の中は劇的に変わります。その原料の一つがヨウ素なんですね。
世界のヨウ素生産国の1位はチリ、2位が日本。その内の80%が千葉県(ほぼ、茂原)で作られているんです。世界の25%です、凄いですねぇ。茂原が「おまえの国にはヨウ素売ってやんねーよ」って意地悪言えば、その国は大変なんです。これからは千葉県も国も茂原には逆らえません。もし筆者が市長だったらまずは県に圏央道松尾―木更津間の2車線化を要求します!(ゴルフ行くのに不便なんですわぁ)
1日目、授業の様子
川からは不思議な泡が・・・・
火をつけてみると、燃えた!
今でも使っている手で掘ったガス井戸
こんなにたくさん勉強熱心ないい歳の学生さんが集まりました(笑)
さて、話を元に戻しましょう。その貴重な天然ガスも使わなければ返って地球環境に悪さをする厄介者です。温室効果はCo2の20倍、空の湯では毎日100t以上の温泉を汲んでいるんで100立米以上のメタンガスを大気中にばら撒いています。
ごめんなさい!
じゃあ、使えよ。
おっしゃる通り。
でも、事はそう簡単では無いのですわぁ。
温泉は環境省(厚労省)が管轄する温泉法に基づいての許可ですが、いざガスを使うとなると、天然ガス=資源=鉱山となって経産省が管轄する鉱山法での許可が必要になるんです。
おかしな法律ですよね。
まあ、千葉県民としては温泉に天然ガスが含まれているなんて当たり前なんですが、全国的には珍しい事なんです。天然ガス国内生産1位の新潟県ではガスのままの形で採掘しているんですね。
うーーん、千葉の常識は世間の非常識だった。千葉の為に法律なんて作られていないんですわ。
それにしても、使える資源が目の前にあるのにわざわざ環境に悪いことをしなくちゃいけないなんて、口をつけてない牛丼特盛をゴミ箱に捨てるような極悪非道な所業です!
でも、ご安心下さい。
苦節4年!
そう、空の湯開業前から取り組んでいた鉱山法による許可が今月めでたく採択されました。千葉県さま関東経産局さま、ありがとうございました。これで天然ガスを使うことができます。原理はガスエンジンで電気を発電、熱は温泉の昇温につかうというコジェネレーションシステムです。
出てきたガスで電気を作って温泉を汲み上げて、また出たガスで温泉汲んで・・・。
もしや、 無限ループ?、インフィニティ♾?、S2機関?!
どうです、これからの空の湯温泉はいままでと一味違いますよ。
ゔぁ~、いい湯だな。
天然ガスで沸かした温泉は最高だぜ。
これからも、ゆっくりしていってね。