トラブル発生!!空の湯井水槽渇水
- 2022年10月31日
空の湯事務所内の警報表示板から警報が鳴り響いた。
10月21日9時30分 井水槽の異常発生
異常内容:井水槽の中がカラ、貯留水がないと浴槽補充、シャワーの水がで出ない状態になっていた。
既に内風呂は張り終わっていたが、浴槽補充やシャワーが使えない状態での営業はできない。別ルートの飲料用に異常なし。
対応状況:施設事業部が出動、現場設備点検開始、原因究明、応急対応の実施
※11時の営業開始を断念した。
原因:水量メーター部の砂つまりと判明
対応:メーターの分解清掃でつまり除去、本管復旧、バイパス水路も設置完了しており双方で給水開始
13時ごろから正常の状態に回復し始めた。
※14時から通常営業を開始することができた。
いち早く通常営業に戻せたのは何故!!
事故発生⇒現地調査⇒原因究明⇒応急対応⇒原状回復
復旧が遅れるほどお客様にご迷惑をおかけし、損害賠償に発展し、空の湯の信用が落ちてしまうことになるが、いち早く原状回復させることができたのは、空の湯運営の母体、弊社三栄メンテナンスが施設事業部という設備管理を業とする部隊を持ち、日ごろから連携を深めてきているからこそ可能にしたことと特筆する。
特にこの日はカプセルホテル宿泊予約が20以上入っており、宿泊を提供できないと賠償問題に発展する恐れがあった。11時から14時までにお越しのお客様には大変なご迷惑をおかけしてしまったが、何とか窮地を乗り切ることができた。
そして施設事業部長、空の湯事業部長(総支配人)を歴任してきた伊藤部長がたまたま現場に居合わせていたので、状況把握と迅速的確な判断と対応があったわけである。今後の為に同部長に始末記作成を依頼したので披露する。
以下は伊藤部長手記
(さて、本社に戻ろう。)
空の湯での仕事も終わり、総支配人に報告して帰社しようと空の湯事務所に入るとけたたましい警報音。
(薬剤補充の定時通知かな?)
私『いつもの警報ですか? なんという表示ですか?』
総支配人『「井水槽一括」ですね。』
私『えっ! それは大変な事態かもしれません!』
(嫌な予感、腋の下を流れる汗)
(過去に二度、この警報が鳴り営業に大きな支障になったことが脳裏に)
水槽へ向かい、コンクリート製の蓋を開けて見ると中はカラ!
飲料用とは別に、この水槽にはシャワーや浴槽補充に使う大切な水を160トンも貯留しているがカラになっていた。
(今は9時30分。11時からの営業に間に合わない!)
(全国旅行支援の始まり、宿泊のお客様の予約殺到のはず、大変だ!)
飲料用受水槽は満タン、そこから井水槽へ送るポンプも正常に稼働してしている。電気制御関係に問題なし、でも、井水槽へのメーターが回らずに井水槽には1滴の水も届いていない。
(いったい何が起こっているんだ?)
(よし、あいつらに助けてもらおう!)
当社には設備管理のエキスパート集団”施設事業部”がある。空の湯では1年に2回実施している整備休館でも、設備系の点検整備対応で大活躍しているチームです。電話に出たAは『すぐに向かいます!』
到着したAと共に図面確認と現場再チェック。配管の一部も分解して確認。
(すべて正常動作に見えるのに水が出ないのは、配管に問題がありそうだね。)
(でも、直近では大きな地震も無かったし、水漏れも無いし。)
総支配人や支配人と協議し11時オープンは断念。緊急のバイパス水路を作ることを決めて、部材の手配に入る。
施設事業部倉庫やホームセンターを廻り、ポンプやホースをかき集めた。
バイパス水路の設置を開始した。
その頃同施設事業部のBが現場に到着。
A発信の部内連絡LINEを見て、別の現場で手が空いたのを機に駆け付けてきた。既に細部点検を開始していた。
B『井水槽への水道メーターを外してチェックしたら、砂が詰まっていました。』
『何とか送水が始まりましたよ。』
Aと私『そんな原因だったの! なんで気が付かんかった!・・・』
ここの井戸は揚水時に砂が混じる傾向があり、それが悪さをしていたようです。
『よし! いけるぞ!』と皆で歓喜。
13時頃より、既存配管とバイパス水路の3基のポンプで送水しながら溜まり具合をチェック。少しづつ水槽の水位が上昇して来ました。
(この分なら大丈夫だろう!)
原水井戸や受水槽の状況と見比べながらの作業です。
飲料水を供給しているこちらが渇水すれば、お食事処も休業となってしまう。
そうなったら二次災害だから。
少しづつ順調に上昇する井水槽の貯留量を確認し、総支配人と共に14時の営業開始を決断。SNS等も用いて内外に発信して、営業を開始することができた。
ところで、施設事業部のAとBのこと
過去に発生した数回の障害発生時にも、何故かすぐに駆け付けている。
何故かと言う言い方は失礼かもしれませんが、お風呂好きで自身も来館入浴中だったりする場合が多く、すぐに着衣して対応してくれる。
実はこの日も、客先業務のキャンセルによりたまたま空きが発生していたそうですが、年間を通して設備管理に携る事から、施設への愛情が現れるのでしょう。
今回の障害を糧とし、年2回の整備休館には衛生と安定運用の向上に、関係スタッフ全員が一丸となって努めて行くものと確信した。
160トンの地下井水槽
受水槽から井水槽への送水管のメーター
受水槽