News/Blog空の湯の過ごし方<第8話> 空の湯ペダル GoTo山形おいしい空港編(4)

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空の湯の過ごし方<第8話> 空の湯ペダル GoTo山形おいしい空港編(4)

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峠を越えて、あさひ月山湖からは下り基調。鶴岡までは順調だった。
しかし、その前に最後のミッションがある。自転車を飛行機に手荷物で持ち込むにはそれなりの準備が必要で、その為に今回準備したのがベニヤで作った「自転車箱ベール初号機」である。マジックテープで簡単に組み立て分解が出来るが、重さ7キロ、140センチ✕45センチ、厚さ20センチと少々かさ張る。制作費もマジックテープが思いの外高価で3万円、製作に2週間も要したのだ。製作中に「買った方が良いんじゃね?」とも思ったが後戻りはできない。
「ハードケースでこんなにコンパクトになるのは箱ベールだけだ。将来は特許を取って販売しよう。」
ポジティブに考える好一だった。

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鶴岡のヤマト配送センターで送っておいた「箱ベール初号機」を受け取った。ぶっつけ本番でこいつを背負って空港まで13キロの道のりを走らなくてはならない。背負ってみると結構重い。梱包ベルトが肩に食い込んで痛いし、左右のバランスを取るのも難しい。
「風が吹かなければ良いが・・・」
R112はしばらく走るとR7と合流する。田んぼの中のバイパスをひた走るが地吹雪防止柵のお陰で風の影響は受けない。

ところが・・・

イオン三川店を西に曲がると地吹雪防止柵もなくなった。空港までは5キロの直線。向かい風が好一に襲いかかる。
「こんなに風が強かったのか!」
箱ベール初号機はまるで凧。忍者赤影のように大空に好一をいざなうのだ!
最後の最後で、この仕打。平和には終われない。好一は耐えた。たとえトラックにいじめられてもゆっくり着実に走った。最後の激坂も攻略し、ついに庄内空港に到着!
感動に浸っている好一を、周囲の人は汚い変なオジサンと見ていただろう。
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自転車を梱包して荷物を預けて、山形最後の食事だ。空港内のレストランは平田牧場のみ。トンカツが売りだが、空の湯の恋豚トンカツを食べ慣れている好一は、正直期待は持てないでいた。
「まあ、空港のレストランだからファミレス程度だったら良いだろう。」
オススメの金華豚のトンカツ。高い。ビールを飲みながら待つ事5分。見た目は良いけど味はどうかな?

「おーー、デリーシャス!」
肉はもちろん、衣もキャベツもご飯もポン酢も全てに拘った一級品だぁーーーー。

あー、これを食べるためにここまで来たんだ。一口一口噛み締めながら味わいながらビールで胃袋に流し込む。
至福の時間はあっという間に過ぎ、出発の時間が来た。飛行機は定刻通り離陸すると45分で成田に到着した。第3ターミナルからはシャトルバスで空の湯へ。大きな荷物も空の湯バスなら余裕で積める。
そして、いつもの温泉につかり、いつものマッサージでボキボキ。
少し前まで山形を自転車で走っていた事は遠い過去のように感じる好一だった。

<番外編:月山リベンジ>
GoTo山形の一番の見せ場である月山峠を見ず知らずの車に乗せられて越えたとあっては男がすたる。9月の土曜の夕方、思い立ったように新幹線に飛び乗った。
大宮から山形は2時間21分。GoToトラベルキャンペーンを使って駅前のホテルに泊まったら朝食付きで2700円だった。むしろ夕食のラーメンチャーハンの方が高かった。
翌朝の天気は薄曇り。気温も低くて前回よりもかなり条件が良い。
その後、調べたところ、月山越えの道は旧道、月山スキー場方面を目指せば良いとの事。旧道に関しては情報が少なく、前回の道路管理のお兄さんも旧道は走れるかどうかわからないとの事だったので行ってみるっきゃない。
月山湖を過ぎてから気を付けて走ると月山スキー場方面へ右折。すぐに上りが始まった。ここはきついが普通にきつい程度。清澄山ぐらいかな。景色は良いし、道も良い。車も少ない。弓張平から先は急に細くなるが補修はされていて走りやすい。ただし、全く人がいないので熊に襲われないか心配だ。熊よけに洋楽をガンガン掛けて走っているとジムで走っている不思議な感覚になってくる。急坂も長くは続かず、気が付くと下りに入っていた。
前回の教訓で「箱ベール初号機」は持って来なかった。あんなものを背負っては走れない!
月山峠にいささか拍子抜けの好一は、今回は何事もなく庄内空港に着いた。
しかし、ここでまた平田牧場のトンカツが食べられる。
「俺は、この為に来たんだ!」
横浜のバイクチーム、ケンタウロスはコーヒーを飲むためだけに神戸に行くそうだが、好一はトンカツを食べに鶴岡に来たのだ。前回と同じ席に座り、同じメニューを食べる。

「あぁ、美味い。」

前回の感動は間違っていなかったのを確認できた。
だが、残念なのは冬ダイヤから成田-庄内便が消える事だ。コロナの影響が大きいのであろう。平田牧場のトンカツが食べられなくなるのはとても残念だ。
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「さらば庄内空港、さらば平田牧場!」
「成田-庄内便が就航した暁には必ず食べに来るからなぁ~!」

2時間後には、いつもの温泉、いつものマッサージで疲れを癒やす好一であった。